2015年1月6日火曜日

051型駆逐艦(ルダ型/旅大型)



旧ソ連海軍のコトリン級をベースに、中国が初めて自国で建造した駆逐艦。1971年に1番艦が出現し、以後17隻が建造されたが、完成後の近代化改装などによって様々なバリエーションが存在する。

米ソ冷戦時代に、イギリスが本級の近代化プランを提案した事がある。イギリス海軍の42型ミサイル駆逐艦をモデルにシー・ダートSAM、リンクスMk.8ヘリコプターを搭載、主機をロールス・ロイス社のガスタービンにする内容で、「051S工程」と呼ばれ1982年に調印、2隻をイギリスで改造し、後続艦は中国国内で工事する予定だったが、資金難により幻となった。

【追記】
China Defense Blogの2007年10月7日の記事によると、北海艦隊に所属していた051型2番艦の「西安」#106が10月に退役していた事が判明した。051型で退役したのは、事故で失われた「広州」#160を除けば本艦が初めて。今後は長江中流域の都市の武漢で保存されることになっている[3]。

【追記】
2007年11月13日、北海艦隊所属の051型1番艦「済南」#105が退役した。今後は海軍所属の水上博物館として保存されることが決定している。水上博物館としてのオープンは2008年1月を予定[5]。

【追記】
2008年8月26日、南海艦隊所属の051型駆逐艦「長沙」#161が退役した[6]。

【追記】
2012年2月15日、東海艦隊所属の051型駆逐艦「南京」#131が退役した[8]。

性能緒元
満載排水量3,670t
全長132.0m
全幅12.8m
主機蒸気タービン 2軸(72,000馬力)
速力32kts
航続距離2,970nm/18kts
乗員280名

【兵装】
対空ミサイルクロタール艦対空ミサイル/ 8連装発射機1基#109のみ
対空ミサイルHQ-7艦対空ミサイル(紅旗7/海紅旗7/HHQ-7 / 8連装発射機1基#106,108,165,166のみ
対艦ミサイルHY-2(海鷹2/C-201/CSS-N-5 Sabot)/ 3連装発射筒2基 
 YJ-83(鷹撃83/C-803)/ 4連装発射筒4基#108,109,110,165,166のみ
対潜ロケット240mm対潜ロケット / 75式204mm12連装対潜ロケット発射機(FQF-2500)2基 
魚雷YU-7 324mm短魚雷 / 3連装発射管2基#165,166他数隻
76式58口径130mm連装砲1~2基 
 79A式56口径100mm連装砲(PJ33A)2基#165,166のみ
近接防御66式57mm連装機関砲2基 
 61式37mm連装機関砲2基 
 61式25mm連装機関砲4基 
 76A式37mm連装機関砲3基#108,109,110,165,166
搭載機Z-9C対潜ヘリコプター2機#105のみ

【電子兵装】
3次元対空レーダー381C型(Rice Screen)1基#110,132,166のみ
対空レーダー517A型(Knife Rest)など1基 
火器管制レーダー343型(Wasp Head)SSM&砲用1基 
航海レーダーRM-1290(Racal Decca)1基 
ECMシステムRW-23-1(Jug Pair)  
ソナーSJD-2/SJD-4  
IFFHigh Pole A  

同型艦
済南Jinan223→105051→051GI型旅大I型→II型1970年7月3日進水、1971年12月就役、2007年11月13日退役。記念艦として保存[7]-
西安Xian106051型旅大I型1974年11月28日就役(72年説も)、2007年9月29日(もしくは10月7日)退役。武漢海軍工程大学の訓練艦艇として使用[7]-
銀川Yinchuan107051型旅大I型1976年6月28日就役、2012年4月5日[9](もしくは10月18日[7])退役。記念艦として保存[7]-
西寧Xining108051D型旅大I型1980年1月29日就役、2013年9月25日退役[11]-
開封Kaifeng109051D→051DT型旅大I型1982年12月25日就役、1999年に第二次近代化改装工事を行う北海艦隊所属
大連Dalian110051Z→051G型旅大I型1984年12月26日就役北海艦隊所属
南京Nanjing227→131051型旅大I型1977年2月6日就役(79年説も)、2012年2月15日[8](もしくは9月26日[7])退役。中国海監に移管[7]-
合肥Hefei132051Z型旅大I型1980年3月18日就役(79年説も)、2012年11月16日退役[7]。海軍航空工程学院の訓練艦艇として使用[7]-
重慶Chongqing133051D型旅大I型1988年12月30日就役(80年説も)東海艦隊所属
遵義Zunyi134051D型旅大I型1984年12月28日就役(83年説も)東海艦隊所属
広州Guangzhou240→160051型旅大I型1971年進水、1974年4月6日就役。1976年9月爆発事故で沈没(78年5月9日説も)-
長沙Changsha161051型旅大I型1975年就役(81年説も)、2008年8月26日退役。北海艦隊試験大隊の標的艦として運用[7]-
南寧Nanning162051型旅大I型1979年3月23日就役(81年説も)、2012年9月退役[7]。中国海監に移管[7]-
南昌Nanchang163051D型旅大I型1982年11月15日就役。2013年9月4日退役[10]。-
桂林Guilin164051D型旅大I型1987年7月10日就役(83年説も)南海艦隊所属
湛江Zhanjiang165051G型旅大I型1989年12月30日就役(91年6月説も)、2003年に近代化改装工事を行う南海艦隊所属
珠海Zhuhai166051GII型旅大III型1990年進水、1991年11月21日就役、2003年に近代化改装工事を行う南海艦隊所属

▼旧式のHY-2(海鷹2/C-201/CSS-N-5 Sabot)対艦ミサイル76式130mm連装砲を装備している#163「南昌」。後部37mm砲直前のレドームは衛星通信用アンテナ。

クロタール艦対空ミサイルYJ-83(鷹撃83/C-803)対艦ミサイル76A式37mm連装機関砲を装備した#109「開封」

▼ステルス・シールド型の79式100mm連装砲(PJ33A)76A式37mm連装機関砲を装備した#165「湛江」

▼後部マストに3次元レーダーを装備した#166「珠海」

▼後部にヘリコプター甲板と格納庫を持つ#105「済南」 Z-9C対潜ヘリコプターを2機搭載する


【参考資料】
[1]Jane’s Fighting Ships 2007-2008(Jane’s Information Group)
[2]世界の艦船別冊 中国/台湾海軍ハンドブック 改定第2版(2003年4月/海人社)
[3]China Defense Blog「DDG106 formally decommissioned this month.」(2007年10月7日)
[4]Chinese Defence Today
[5]中華網 2007年11月15日「老兵走好!剛退役的”済南艦”珍貴照片」
[6]新浪網「組図:南海艦隊051級長沙号導弾駆逐艦退役」(2008年8月29日)
[7]MDC軍武狂人夢
[8]China Defense Blog「China Defense Blog DDG 131 (Nanjing) decommissioned today.」(2012年2月15日)
[9]China Defense Blog「DDG 107 "Yinchuan" decommissioned today.」(2012年4月5日)
[10]China Defense Blog「PLAN decommission news of the day: DDG163 Nanchang, Luda class.」(2013年9月4日)
[11]新浪網「国产首代导弹驱逐舰西宁号列装33年后正式退役」(2013年9月26日)

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