2015年1月6日火曜日

GP-2砲発射式対戦車ミサイル

▼ミサイル本体(上)、装填時の状態(下)。


性能緒元
全長 
直径100mm/105mm
重量17.8kg(ミサイル本体)、19.8kg(薬莢込み)
射程5,000m
誘導方法セミアクティブ・レーザー誘導式
装甲貫通能力550~600m(均質鋼板)

GP-2砲発射式対戦車ミサイルは、1997年にロシアから技術導入した9K116「Bastion」砲発射式対戦車ミサイル(9K116はシステム全体の名称、ミサイル本体の名称は9M117。NATOコードはAT-10 "STABBER" )を元に開発された対戦車ミサイルで100mm砲と105mm砲用の2種類が存在する。

GP-2は、ミサイルの後部に薬莢を到着した状態で装填されており、ミサイル本体の重量は17.8kg、薬莢込みで19.8kg。RHA値で550mm~600mmの装甲貫通力を有しており、最大射程は5,000m。90%以上の命中率を誇るという。戦車や装甲車両だけでなく、トーチカなどの防御拠点や低空飛行を行うヘリコプターへの攻撃が可能。爆発反応装甲を装着した車輌に対しても有効とされる。誘導方式はレーザー・セミアクティブ誘導で、砲塔上の照準器から発せられるレーザービームに誘導されて目標に向かって飛行する。レーザー・セミアクティブ誘導方式の採用によりミサイルの飛翔速度は比較的早く、射程4,000mの場合12秒で着弾する。GP-2の運用に当たっては、目標照射用のレーザー・デグジネーターを装備する必要がある。59式戦車のアップグレード型である59D式戦車の場合は、砲塔上部左側の砲手用ペリスコープにレーザー・デグジネーターを組み込む改装を行っている。

GP-2は、59D式戦車63A式水陸両用戦車(WZ-213/ZTS-63A)などの105mm砲搭載戦車、04式歩兵戦闘車(ZBD-97/ZBD-04/WZ-502)02式100mm装輪自走対戦車砲(PTL-02)などの車輌で運用されているほか、外国向けに旧式戦車のアップグレード機材の1つとして宣伝が行われている。

【参考資料】
[1]『軍事研究』2007年6月号「IDEX2007レポート(2)中国とパキスタンのAFV」(宇垣大成/㈱ジャパン・ミリタリー・レビュー)
[2]Army Guide「9K116-1 Bastion / AT-10 」
[3]Chinese Defence Today

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