2014年11月8日土曜日

05A式120mm自走迫撃砲(PLZ-05A)

▼トランスポーターで輸送中の05A式120mm自走迫撃砲(PLZ-05A)


性能緒元
重量20トン前後
全長7.2m前後
全幅3.2m前後
全高2.5m前後
エンジン150型6気筒水冷式ターボチャージド・ディーゼル・エンジン(590hp)
最高速度
浮航速度6~8km/h
航続距離500km
武装120mm迫撃砲×1
 12.7mm重機関銃×1
装甲圧延鋼板装甲
乗員4名(推定)

05A式120mm自走迫撃砲(PLZ-05A)は、数年前からその存在が知られるようになった中国の新型自走迫撃砲。PLZ-05Aは、08式歩兵戦闘車(ZBD-08/ZBD-04A/WZ-502G)の派生型の1つ[1]。

中国軍では、92式装輪装甲車(ZLS-92)の車体に後装式120mm迫撃砲を搭載した05式120mm装輪自走迫撃砲(PLL-05)を装輪AFV中心に編成された緊急展開部隊向けに配備しているが、装軌式シャーシを使用するPLZ-05Aは主に装軌式AFVが主力を占める装甲/機械化部隊向けに開発された装備と考えられる。

PLZ-05Aは、新型の08式歩兵戦闘車(WZ-502G)のシャーシに120mm迫撃砲を搭載した旋回式砲塔を搭載している。シャーシは圧延溶接装甲で製造されており、全周からの7.62mm機関銃弾、前方からの12.7~14.5mm重機関銃弾の直撃に抗堪する防御力を備えている[1]。間接防御システムとしてNBC防護装置と自動消化システムを備えている[1]。

初期の試作車輌では車体前面に86式歩兵戦闘車(BMP-1)などで見られる波切り板が装備されていたが、量産型では波切り板は廃止されている。車体配置は、車体前方右部が動力部、前方左部に操縦席、車体中央から少し後ろの箇所に砲塔を搭載。車体後部には右開き式のハッチが装備されており、乗員の乗降や砲弾搭載に使用する。乗員は、車長、砲手、装填手、操縦手の4名[1]。

パワーパックは150型6気筒水冷式ターボチャージド・ディーゼル・エンジン(590hp)と4速手動変速機の組み合わせ。PLZ-05Aは水上浮航能力を備えており、浮遊時には履帯の回転により推進力を得る。水上航行時の速力は6~8km/h[1]。

【武装】
砲塔は05式120mm装輪自走迫撃砲(PLL-05)のものに類似しており、おそらく同車の砲塔システムを転用しているものと思われる。参考として05式120mm装輪自走迫撃砲のスペックを以下に記載する[2][3]。
口径120mm(ライフル砲)
装弾方法後装式
俯仰角-4~+80度
旋回角度360度
射程8,500m(大仰角の迫撃砲モード)
9,500m(榴弾砲モード)
1,200m(HEAT直射)
12.8km(RAP弾)
使用砲弾HE弾、HEAT弾、ロケット補助推進弾、レーザー誘導砲弾
発射速度8発(榴弾砲モード)
10発(迫撃砲モード)
4~6発(HEAT直射)
PLZ-05Aの120mm砲は後装式で装填補助装置により毎分4~10発の発射速度を有する[1]。通常の迫撃砲のように間接射撃を行うだけでなく、目標に対して直射を行う事も可能[1]。

120mm迫撃砲のほかに、自衛用火器として砲塔上部のキューポラに85式12.7mm重機関銃1挺を、砲塔側面に3連装発煙弾発射機2基を装備している

PLZ-05Aは数年前から各種試験に供されているのが確認されている。2011年には部隊配備が開始されたとの情報も存在し、今後配備が進められるものと考えられる[1]。

▼大仰角での射撃を行うPLZ-05A


【参考資料】
[1]Military-Today「PLZ-05A 120-mm self-propelled mortar system」
[2]Chinese Defence Today「PLL05 120mm Self-Propelled Mortar-Howitzer」
[3]Army Guide「PLL05, Self-propelled howitzer」

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